株式トレーディングで、個別銘柄のスウィングトレードを行う場合にも、
バックテストによる検証作業と それを実践できる練習 が欠かせない。
システムトレードの場合はむしろ、システム的な練習をすべきである。
バックテストを行う「過去日」は適当に選んでもいいけれども、
どうせならばシステム的に割り出した、何らかの根拠がある日付を選ぼう!
ということで、
「今日と PPPレシオ(相場全体に占めるPPP銘柄の割合)が似ている日」
をリストアップして、そこから選ぶことを考えてみた。
その考えて作ってみたのが、
「トレード検証用 過去の似ている相場環境の検索」ツール
である。
選ばれた過去日は、実はあまり似ていないかもしれないけど、
あまりにもかけ離れていると意味がないので、最終的には、
裁量、つまり人間の判断 が必要になる。
「PPPレシオ」がほぼ同じの場合、たとえば 山登りで、同じ標高500Mの場所でも、
それが 上り坂 と 下り坂 のどちらの道なのかで、180度 意味が変わる。
だからまず、「PPP推移表」を比較してみて、
色彩があまりにも違っていたら、方向が違う と判断できる。
なるべく同じ色彩の状態の日を選べば、
「今日、わざわざ株式トレードに参加すべきか、それとも休むべきか?」
を判断するのに役立つかもしれない。
どうなるか先が分からない時にはトレードはしない、を徹底した方がよい。
さて、理屈では分かっても実際にどのようになるのか?
少し具体的に例を示したいと思う。
まず、本日(2022/4/24)時点での最終取引日(2022/4/22)を基に、
過去の似ている相場を探してみようと思う。
「トレード検証用 過去の似ている相場環境の検索」ツールを開いてみると、
次のような画面が表示される。
いくつかの候補日が出てきたので、上位から3つ、確認してみる。
まずは本日(2022/4/22)の「PPP推移表」を開いてみる。
見るからに、下落傾向の色彩である。
次のうち、どれが一番、色彩が近いだろうか?
■2016/04/14
これはちょっと、色彩が明らかに違う。
■2010/10/25
■2019/07/19
この3つの中では、2010/10/25 の色彩が一番近いので、
この日にタイムスリップして、銘柄選定を考えてみようと思う。
2010/10/25 の表示行に記載されている「観察銘柄の候補」リンクをクリックすると、
次のような画面が表示される。
今回は、下落トレンド中の、下落銘柄狙いなので、とりあえず
「2.戻り目待ち(▼下降トレンド中)」としてリストアップされた銘柄を見ていく。
このリスト表示の時点で、
・月足RSIが 20未満 (売られ過ぎで、そろそろ底値付近)
・ADXが [上] 表示 (+DI が -DI を上回っている状態)
・ADXが 20未満 (トレンドがなく膠着状態)
のような銘柄ははじめに候補から除外しておいてもよい。
今回、例として、一番上にある 「1951 協和エクシオ」 を観察してみる。
銘柄名のリンクをクリックすると、次の画面が開く。
売買判断に必要なテクニカル指標 等を1画面に集めたものである。
左上には、今回スクリーニングされた意図でる
「2_逆PPP赤折れ → 逆PPP狙い」 が表示されている。
「月足が逆PPP + 週足が逆PPP + 日足が逆PPP赤折れ」 の銘柄なので、
日足が逆PPP になっている時に「空売り」で利益を得ることを狙う戦略である。
この条件を途中で変更してはならないし、
条件を満たさなくなったら撤退しなければならない。
初日は当然、条件を満たしていないので、初日にエントリーすることはなく、
翌日以降、株価のステータスが変わったらエントリーを検討することになる。
本番トレードでは、翌日以降のステータスは、翌日になるまで分からないけど、
過去トレードでは、翌日へ 日めくりすることで、次の日に進めることができる。
キーボードから [→] カーソルキーを押すと次の日にめくれるけど、
画面左下の [→] リンクをクリックしてもよい。
次の日(2010/10/26)へめくってみると、次のようになる。
条件を満たしたので、ここでエントリーすることになる。
当日の 14:30~15:00 頃、上ヒゲ陰線で引けたことを確認して、
「大引け成行」注文で 空売り注文をしてもよいし、
翌日に「寄付成行」で 空売り注文をしてもよい。
でも、月足チャートを見てみると、前回安値 の 700円で
何度も支えられていることが確認できるので、
700円で反発することも十分に考えられるので、
ローソク足 1本か2本 程度で 売り逃げするか、
あるいはエントリーを見送った方がよい と判断する。
資金および技術がある人はともかく、
あまり上手でない人は、本番ではやらない方がよいかもしれない。
今回はあくまでも「練習」という前提である。
さて、次の日(2010/10/27)。
再び「日足逆PPP 赤折れ」になって、横に並んだ。
ここで 手仕舞ってしまっても 損失は出ないので、
14:30~15:00 の間に撤退してしまってもよい。
でも、陰線で引けているので、あと1日様子を見て、
続行するのか撤退するのかを決めてもいい。
自分で判断した内容をメモしておくことが重要である。
そして、次の日(2020/10/28)。
1日待った場合は、少しだけ利益が出たことになる。
日足では、直近下値を突破したので、追加してもよい場面だが、
月足チャートを見て 700円で支えられる可能性が高いことを考えると
そろそろ下げ止まる不安がある。
不安がある時は、ポジション量(株数)を増やすよりも減らした方がよいので、
勝っている時に、ポジションの半分を利益確定しておくのが賢明である。
もしこれが本番トレードだったら、全部 利益確定してしまいたくなるけど、
ここは半分くらいにしておいて、残り半分は、もう1日様子をみるのもよい。
で、この後はどうなったか? といえば、
それは、チャートをめくって、自分で確認してみるとよいが、
やはり ここで下げ止まって、急上昇することになった。
もし、まだまだどんどん下がるはずだ! などと傲慢に考えて
「空売り」のまま放置していたら、損失を出して大慌てをすることになる。
練習トレード と 本番トレード では、資金に対するプレッシャーが全然違うので、
資金に余裕がなければ、練習どおりにトレードすることは難しいけど、
あらかじめ机上で、失敗パターンを経験しておいて、反面教師にすることはできる。
ちなみに、もう一つの 練習に役立つ機能として、
一番右の列にある 「玉帳表示」 という機能がある。
今回の例では、 2022/10/26 のエントリー時に、
玉帳表示の [売] というリンクをクリックすると、
次の「タラレバ玉帳」が表示される。
空売り 100株 の建玉をこのままずっとそのままにしていたらどうなるか?
を、今後45日間、粗利益として表示してくれる。
画面左側にある 日足、週足、月足 の列の数値は、
ローソク足の x本後 の姿の チャート表示のリンクである。
それを表示すると、次のようなチャートになる。
これはむしろ、その後の 「買い」 で利益が得られる黄金パターンだった。
(グランビルの法則、 相場師朗先生の技名だと「N大」)
もし、空売りで損失を出してしまった場合でも、
資金を失ってゲームオーバーになっていなければ、
この上昇で、損失をとりかえすことも可能である。
こんなふうに、シミュレーションしながら練習を繰り返すことで、
経験値を増やしていくことができるはずである。
いろんな相場状況のパターンで、同じ練習をしてみると、
ものすごく簡単な日で ほぼ全勝するような日 と
ものすごく難しい日で ほぼ全敗するような日 があるけど、
買ったり負けたりするけど、なぜだかよく分からない 日が圧倒的に多い。
本番トレードでは、ものすごく簡単な日 だけ参加して、それ以外の日は休む ようにしたい。
それを自分の目で確かめて自分に徹底的に納得させるために、
この私のツールを役立てることができると思う。
細野さん
返信削除おはようございます。
今回の更新も、本当にありがたいです。
そして、とってもわかりやすい。
わかってきたぞぉ。がさらにわかってきました。
手取り足取り、こんなにも丁寧にレクチャーしていただき、感謝します。
活用させて頂きます!
少し改良していますので、最新記事をご参照ください。
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